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「」に対する検索結果が19件見つかりました

  • 翻訳の誤りが特許無効につながる可能性

    翻訳のわずかな誤りが特許無効化につながる可能性を示した重要な判例として、IBSA Institut Biochimique, S.A. v. Teva Pharm. USA, Inc.の事例があります。 http://cafc.uscourts.gov/sites/default/files/opinions-orders/19-2400.OPINION.7-31-2020_1628842.pdf この事例では、優先権主張しているイタリア語の特許出願を英語に翻訳したもので、「semiliquido」を「half-liquid(半液体)」と訳して提出しました。特許における「内的証拠」と科学辞書等の「外的証拠」の両方が、元のイタリア語の「semiliquido」を翻訳した「half-liquid」の明確な意味を提供しなかったため、連邦巡回控訴裁判所は、米国特許の請求項が35 U.S.C. § 112に基づき不明確で無効であると判断しました。したがって、英語以外の優先権書類の不正確な翻訳により特許は無効となりました。 IBSA Institut Biochimique, S.A. v. Teva Pharm. USA, Inc.の事例は、翻訳のわずかな誤りが特許無効化につながる可能性を示した重要なケースです。正確な翻訳を行うためには、特に技術的な文書において、以下のような方法でバイリンガル翻訳者の精度を確認することが効果的です。 ダブルチェックプロセスの実施 : 翻訳文は必ず二重チェック(翻訳者と別のネイティブスピーカーまたは専門家によるレビュー)を行い、誤訳や解釈の間違いがないかを確認します。これにより、誤解や異なる解釈のリスクを最小限に抑えることができます​。 技術用語の整合性 : 専門用語や技術用語は特に重要です。翻訳者がその分野の技術に精通しているかを確認し、翻訳後に用語集や辞書を用いて用語の一貫性を保つかどうかを評価します。 言語のネイティブ性と文化的知識 : 翻訳者が両言語の文化的背景や微妙なニュアンスを理解しているかも重要です。日本語と英語で異なる表現や概念がある場合、単に単語を置き換えるのではなく、正確な意図を伝えられるかどうかを評価します。 機械翻訳ツールとの比較テスト : 人間の翻訳と機械翻訳の結果を比較することで、人間翻訳の精度と解釈の深さを評価できます。これにより、文脈に応じた適切な翻訳ができているかを確認できます。 実際の使用例のテスト : 翻訳文を実際の文脈で使用し、専門家や当事者が理解できるかを確認することで、翻訳の正確性と実用性を検証します​。 ただ、時には最良の翻訳者であってもミスをすることがあります。この場合は、Incorporation by referenceを使用して翻訳ミスを修正することです。出願人は、例えば「この出願は日本特許出願番号______に優先権を主張しており、これをここに引用して組み入れる」という記載を含めることによって、外国優先権出願を明示的に引用の組み入れを行うことができます(MPEP § 608.01(p)(I); 37 C.F.R. § 1.57(c))。MPEPによると、明示的な引用の組み入れは「優先権を主張している以前の出願の一部が省略された場合に備えるための安全策」として使用できます(MPEP § 608.01(p)(I)(B))。そのため、翻訳ミスが後で特定された場合、優先権出願の明示的な引用の組み入れを頼りに、翻訳ミスを修正できます。

  • DC近郊の特許・非特許文献調査施設

    ワシントンDC近郊にはUSPTO、国会図書館、 National Institutes of Health (NIH)があり、文献調査を行うための施設がそろっています。近年では、電子版データベースが充実していることもあり、物理的に図書館へ行くことも減りつつあります。そのため、調査施設を活用することも減りつつありますが、まだまだこれらの施設を利用するメリットがあると考えます。 1. USPTO Public Search Facilityを利用する利点 https://www.uspto.gov/learning-and-resources/support-centers/public-search-facility a. 専門的なツールやデータベースへのアクセス USPTO public search facility では、 PubEAST や PubWEST などの専用データベースにアクセスできます。これらのシステムは、公開されているオンラインデータベースでは利用できないもので、より高度な特許検索が可能です。 https://www.uspto.gov/learning-and-resources/support-centers/scientific-and-technical-information-center-stic/prior-art b. 対面による支援 USPTO public search facility では、 訓練を受けたスタッフ や特許調査の専門家と相談することができます。これにより、専門的なデータベースの使用方法や検索結果の解釈、検索戦略の改善などのアドバイスが受けられます。 c. 包括的な非特許文献(NPL)コレクション 非特許文献(NPL)は無効化調査や新規性調査において重要です。USPTOの施設では、オンラインでは完全にアクセスできない非特許文献のコレクション、特に古いものや専門性の高い出版物が含まれている場合があります。 d. 法律に関するリソース USPTO public search facility には、 法律の先例 に関連するリソースもあり、過去の特許庁の決定や規則、特許審査に影響を与える要素について理解するのに役立ちます。 2. 国会図書館(LOC: Library of Congress)を利用する利点 https://www.loc.gov/research-centers/science-and-business/about-this-research-center/ a. 豊富な非特許文献(NPL)リソース 国会図書館は、世界最大級の 非特許文献のコレクション を保有しており、書籍、ジャーナル、会議資料、基準書など、多様な技術資料が揃っています。これは特許データベースの範囲を超えた先行技術調査に非常に有用です。 1) https://eresources.loc.gov/ 2) https://catalog.loc.gov/vwebv/searchAdvanced b. 歴史的コレクション 古い文書における先行技術を調査する場合、議会図書館は 歴史的な出版物、新聞、ジャーナル のアーカイブにアクセスでき、これらは電子データベースでは入手できない場合があります。 c. 専門的なコレクション 国会図書館には科学、技術、工学に特化したコレクションもあり、特に非特許文献の調査に役立ち、特許調査に関連する 専門的で珍しい文献 を見つけることができます。 d. 研究司書(リファレンスライブラリアン)による支援 USPTO同様に、国会図書館には 研究司書 が在籍しており、文献検索の支援を行っています。これにより、特定の文書を探したり、追加のリソースを推奨したり、より良い検索戦略を提案してもらうことができます。 3. National Institutes of Health (NIH) Library Facilityを利用する利点 https://www.nihlibrary.nih.gov/ https://www.nlm.nih.gov/readingroom/index.html a. 豊富な非特許文献(NPL)コレクション NIH図書館 は、生命科学や医療分野における膨大な非特許文献(NPL)を提供しています。特に、医薬品、バイオテクノロジー、化学技術などに関連する特許調査を行う際に、学術論文、研究報告書、臨床試験データにアクセスできることは非常に有用です。 b. 専門的なデータベースとツール NIH図書館は、 PubMed や Medline など、生命科学や医療分野に特化したデータベースにアクセスできます。これにより、バイオ医薬品関連の先行技術調査や、非特許文献を調査する際の信頼性の高い情報源として利用できます。 c. 研究サポートと専門スタッフ NIH図書館では、 専門の研究司書 が調査をサポートしてくれます。彼らは生命科学や医療分野の専門知識を持っており、適切なリソースの選択や、文献検索の戦略に関するアドバイスを提供してくれます。 d. アクセス可能な研究施設 NIH図書館は、最先端の医療研究が行われる NIHキャンパス 内に位置しており、同施設の利用者は高度なリソースや研究ツールにアクセスできます。特に、医療やバイオ分野の特許調査を行う場合、これらのリソースは非常に役立ちます。 e. 無料での利用 公共の研究者や特定の資格を持つ個人に対して、NIH図書館のリソースを無料で提供しており、学術文献をオンラインで閲覧することが可能です。 USPTO/LOC/Electronic database 比較分析 基準 USPTO Public Search Facility 国会図書館 電子データベース 検索範囲 特許(米国中心)+ 一部非特許文献 主に非特許文献(NPL) 特許(国際的) + 一部非特許文献データベース 歴史的文書へのアクセス 強力、古い特許へのアクセスあり 優れている、豊富な歴史的アーカイブ 最近の文書は良好、古い文書は制限がある 対面サポート 特許調査の専門家が対応 研究司書が対応 対面サポートなし、FAQやガイドはあり 検索ツール 専門の特許データベース(PubEAST、PubWEST) 幅広い資料が豊富なコレクション 高度なブール演算、AI検索ツール 利便性 現地訪問のみ 現地訪問のみ インターネット接続があればどこからでもアクセス可能 網羅性 特許に関しては高い、非特許文献は中程度 非特許文献に関しては高い、特許は低い 特許に関しては高い、非特許文献は中程度 コスト 無料で利用可能 無料で利用可能 無料(公共データベース)またはサブスクリプション型 結論: 電子データベース は、 スピード 、 国際的なカバレッジ 、 リアルタイム更新 が特徴で、特に最近のグローバルな特許文書を調査する際に欠かせません。 USPTO public search facility は、特許調査において 詳細な調査 や専門的なツールへのアクセスが可能で、 古い特許や特殊な特許 にアクセスする必要がある場合に非常に有用です。 国会図書館 は、特に 非特許文献の調査 に優れ、歴史的または専門的なリソース NIH図書館 は、特に 生命科学や医療分野 の特許調査や、関連する非特許文献の検索において非常に有用です。これにより、医学やバイオテクノロジー関連の先行技術調査において、特許データベースを補完する優れた情報源となります。 この他、ワシントンDC近郊には有名大学の図書館があり、特許調査には最適な環境です。 ジョージワシントン大学図書館: https://library.gwu.edu/ ジョージタウン大学図書館: https://library.georgetown.edu/ メリーランド大学図書館: https://www.lib.umd.edu/

  • USPTOは独立採算で運営されている

    2025年度から庁費用改正が決まっています。全体の審査費用は、現在の費用からだいたい5~10%程度の値上がりを予想していますが、10%を超える極端に値上がりしている費用案も見受けられます。なぜ特許庁はこのように値上げが必要になるのでしょうか。USPTOが財政的に独立しているのは、主に自立した運営を可能にし、特許や商標の出願者といった利用者のニーズに応えるためであり、米国の納税者や政府からの資金提供に依存しないようにするためです。以下はその理由です: 1. 料金ベースの構造 : USPTOは 料金で賄われるモデル で運営されています。つまり、特許や商標の出願、維持費用、その他の関連サービスに対して請求する手数料によって、すべての業務が賄われています。このシステムの背景には、特許や商標制度を利用する人々がその費用を負担するべきだという考えがあります。利用者手数料に依存することで、USPTOは納税者に負担をかけることなく、定期的な政府の予算配分を必要としません。 2. 効率性と説明責任 : 財政的に独立していることで、USPTOは効率的に運営でき、直接の顧客(発明家、企業、法務専門家)に対して説明責任を持つことができます。この料金ベースの構造により、USPTOはサービスや料金を需要に応じて調整でき、議会の承認を待ったり、政府の予算プロセスの不確実性に直面する必要がありません。この仕組みにより、USPTOは予算や業務運営をよりコントロールでき、業務量に応じて規模を調整することが可能になります。 3. 需要に基づくサービスの性質 : USPTOのサービスは 需要に基づいて います。つまり、処理する特許出願や商標登録の件数は、米国内のイノベーションやビジネス活動のレベルによって変動します。もしUSPTOが固定された政府の資金に依存していた場合、需要が高まったときに対応が難しくなるかもしれません。料金ベースの構造によって、USPTOは業務を拡大したり、必要に応じてより多くの審査官を雇用したり、技術投資を行うことができ、利用者のニーズにより効果的に応えることができます。 4. 政治的影響からの独立性 : 議会から資金を受け取らないことで、USPTOは政府予算の影響による 政治的な圧力からの独立性 をある程度維持しています。この自律性により、特許や商標制度を運営する際に政治的な考慮に左右されることなく、イノベーションの促進や知的財産の保護という中核的な使命に集中できるのです。 5. 議会の意図 : USPTOの財政的独立は、特許や商標制度が効率的に、かつ途切れなく運営されることを目的として設立されました。これまでの経緯で、議会はUSPTOが徴収した手数料を保持し、業務ニーズに応じてその料金を調整する権限を与えています。このことは、利用者が制度の運営費を負担すべきであり、納税者にその負担をかけないという原則を強化しています。 6. 予算削減や政府閉鎖の回避 : 利用者の手数料に依存することで、USPTOは政府閉鎖や予算削減による影響を回避できます。たとえば、米国政府が閉鎖された際、多くの連邦機関は業務を縮小せざるを得ませんが、USPTOは独自の資金源で運営されているため、業務を継続することができます。この仕組みは知的財産制度の安定性を提供し、特許や商標の処理が中断することなく続けられることを保証します。 まとめ: USPTOの財政的独立性は、業務をより効率的に運営し、利用者のニーズに迅速に対応できるようにするためのものです。また、政府の資金問題による影響を回避し、特許や商標制度が利用者によって資金提供されることを確実にするためです。この自立したモデルは、納税者の負担を避け、議会の予算配分に依存せずに知的財産制度を維持することを目的としています。 2025年予算: https://www.commerce.gov/sites/default/files/2024-03/USPTO-FY2025-Congressional-Budget-Submission.pdf

  • 担当審査官の変更要求について

    代理人として長年働いていると多かれ少なかれ審査官の質や態度に問題があることに気づきます。出願人は、運悪くこのような審査官にあたってしまった場合、審査官の変更を要求することが可能であるかの疑問があります。その答えからいうと、審査官の交代を求める手続きは非常に困難であり、具体的に適切な証拠を揃える必要があります。ここでは、プロセスや戦略を要約し、さらに詳しく掘り下げてみましょう。 審査官の交代申請の仕組みとその課題: 申請プロセス(37 CFR 1.181) : 審査官の交代を求める申請では、審査官や上司による不適切な行動、偏見、または手続き上の不備を証明する必要があります。 有効な理由の例 :不適切なボイスメールの送信など、明らかな偏見を示す証拠や、複数回のアピールブリーフに対して継続的に審査を再開するなどの手続き上の不正行為。 無効な理由 :審査官が厳しいことを示す統計、先行技術の解釈に関する意見の相違、または技術の理解不足。特許庁はこれらを「単なる意見の相違」として却下し、こうした問題は申請ではなくアピールが適切であるとしています。 決定権者 : 初回の申請は、通常、 グループディレクター またはその代理人が決定します。 却下された場合、 特許審査方針副コミッショナー室 (MPEP § 1002.02(b))が扱う二次申請(監督レビューのための申請)を行うことができます。 偏見の証明の難しさ : 統計は十分ではない :審査官の統計は戦略を立てる上で有益ですが、特定のケースにおける偏見の証拠とは見なされません。 狭い範囲の証拠 :特許庁は、特定の案件にのみ焦点を当てており、出願人の案件に直接関係しない限り、審査官の広範な行動パターンは通常無視されます。 実例:下記の例では、具体的な不正行為の証拠が必要であることを強調しています。 1)13/332,251: https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/13332251_06apr2018.pdf 2)13/470,696: https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/13470696_23jun2016.pdf 3)14/619,334: https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/14619334_13jul2016.pdf 例えば、上記1)の例では、以下の理由で請願を却下しています。 決定の要点: 出願人は審査官や担当者を選ぶ権利がない : この決定では、先例である In re Arnott を引用し、出願人には担当する審査官や、監督審査官(SPE)および他の関係者を選ぶ権利がないとしています。出願の担当審査官の割り当ては、 技術センターディレクター および SPE の裁量に委ねられており、彼らはその範囲で広範な権限を有しています。 偏見や不適切な行動の証明責任 : 出願人は、再割り当てを要求するために、偏見やそれに類する不適切な行動を証明しなければなりません。これは、 In re Ovshinsky によって支持されており、 局長の監督権限 を行使して技術センターディレクターに出願を新たな審査官に割り当てるよう指示するには、こうした偏見が証明されなければならないとしています。本件では、 技術センターディレクター に対し、出願を新しい審査官に割り当てる指示を出すに足る偏見や不正行為の具体的な証拠は示されていません。 出願人が主張した不適切行為の審査 : 特許庁 は、出願人の不満とともに出願の記録を詳細に調査しましたが、審査官や監督者による偏見や不適切な行動は見られませんでした。 Office Action(審査応答書)のタイミング : 出願における応答書の遅延は異常ではなく、特別な遅延や不正行為は確認されませんでした。 主張された発言 : 申請者は、審査官や監督者が偏見を示す発言をしたと主張しましたが、これらの主張は文脈に欠け、裏付けがなく、偏見を示す十分な証拠にはなりませんでした。 拒絶に関する意見の相違 : 出願人は、審査官が不適切な拒絶や制限を行ったことが偏見の証拠だと主張しましたが、 単なる意見の相違 は偏見の証拠とはならないとしています。審査過程において意見の相違は通常のことであり、これは Lear, Inc. v. Adkins で確立された事実です。 偏見の証拠は見られない : 最終的に、 出願人の主張は、審査官や監督者による偏見や不正行為を示すものではないと判断されました。特許の適格性や請求項の制限に関する意見の相違は、偏見や不適切な行動を意味するものではなく、審査官の交代を正当化するものではありません。 戦略的考慮事項: 強力な証拠を収集する :不適切な行動を示す明確な証拠を揃えることが不可欠です。技術の理解不足や先行技術の解釈に関する一般的な不満では不十分です。手続き上の不備や個人的な偏見の証拠が必要です。 アピールがより良い選択肢かもしれない :申請プロセスに費やすよりも、審査官との意見の相違については特許審判部(PTAB)へのアピールを検討したほうが現実的な解決策となることが多いです。 審査官の交代にはリスクがある :仮に交代が成功したとしても、新しい審査官がより有利であるという保証はありません。場合によっては、現在の審査官やその上司との交渉や協力を模索する方が得策かもしれません。

  • 組み合わせ不備主張の留意点

    自明性拒絶(35 USC 103条拒絶)を受けた際、一つの反論として先行技術同士の組み合わせ不備を主張することは一般的です。しかしながら、自身の発明に注目するあまり、組み合わせ不備の論点がずれてしまうことがあります。よくある事例は下記になります。 1. 先行技術と自身の発明を比較してしまう(先行技術同士を比較すべきところで) 最もよく見られる誤りの一つは、先行技術同士ではなく、一つの先行技術と自身の発明を比較してしまうことです。反論は、審査官が提案する先行技術の組み合わせが機能しないことを示すためのものであり、先行技術が自身の発明と比べて劣るという主張ではありません。 誤りの例: 出願人が、先行技術が自身の発明のように機能しないと主張する。 正しいアプローチ: 正しい戦略は、審査官が提案した先行技術の組み合わせが機能しないことに焦点を当てることです。たとえば、審査官が二つの先行技術(AとB)を組み合わせて拒絶理由を提示した場合、出願人はAとBの組み合わせが機能しないことを示すべきです。焦点は常に、提案された先行技術の組み合わせが機能しない、あるいは欠陥があるという点に置くべきであり、それらの技術と自身の発明を比較することではありません。 2. 無効の根拠となる証拠やサポートを提供しないことです。もう一つのよくある誤りは、無効になるという結論を述べるだけで、具体的な証拠や説明を提供しないことです。ただ「先行技術は一緒に機能しない」と言うだけでは、審査官や特許審判部(PTAB)を納得させることはできません。 誤りの例: 出願人が、二つの先行技術は互換性がないと主張するが、その根拠となるデータや説明、証拠を提示しない。 正しいアプローチ: 反論を効果的に主張するには、詳細な技術的説明を提供し、実験結果や専門家の宣誓書、または技術的な分析を証拠として提示する必要があります。たとえば、二つの先行技術を組み合わせると化学反応が衝突する、電気的に互換性がない、または機械的に機能しなくなるといった場合には、これらの点を明確に説明し、その主張を裏付ける証拠を提示する必要があります。 3. 軽微な不一致や簡単に解決できる不具合に焦点を当てる軽微な不一致に焦点を当てたり、簡単に解決できる問題に基づいて反論を展開すると、説得力に欠けます。問題が簡単に解決できる場合、審査官は依然として組み合わせが有効であると主張するかもしれません。 誤りの例: 出願人が、二つの先行技術の間に小さな設計の違いを強調し、その違いが容易に解決できることを見逃している。 正しいアプローチ: 反論を成功させるためには、不一致が重大で解決不可能であることを示す必要があります。組み合わせを実現するためには、根本的な再設計が必要であると証明できる場合に限り、無効論は効果的です。 4. 審査官の提案する組み合わせを誤解している 出願人が審査官が提案した先行技術の組み合わせを誤解し、その誤解に基づいて反論を展開してしまうことがあります。 誤りの例: 出願人が審査官が実際に提案している組み合わせとは異なる組み合わせについて反論する。 正しいアプローチ: 反論を提示する前に、審査官の拒絶理由を十分に確認し、審査官がどのように先行技術を組み合わせようとしているのかを理解することが重要です。反論は、審査官が実際に提案している組み合わせに対して行わなければなりません。 5. 先行技術の目的を無視する 先行技術の組み合わせに対する反論を主張する際、先行技術の意図された目的を考慮しないことも誤りです。審査官が提案する組み合わせが、自身の発明とは異なる目的を持つ場合、反論をその目的の違いに基づいて展開するのは不適切です。 誤りの例: 出願人が、先行技術が自身の発明と同じ目的を達成できないことを理由に反論を展開する。 正しいアプローチ: 審査官が提案する先行技術の組み合わせが、その意図した目的に対して機能しないことを証明することに焦点を当てるべきです。たとえば、先行技術が異なる分野に関連している場合や、異なる結果を達成するために設計されている場合、その組み合わせがその目的に対して機能しないことを示すべきです。 6.可能な解決策や代替案を無視する 先行技術の組み合わせに問題があるとしても、それが簡単に解決できる場合、反論は効果的ではなくなる可能性があります。 誤りの例: 出願人が、技術的に容易に修正できる問題に基づいて、先行技術の組み合わせが機能しないと主張する。 正しいアプローチ: 無効の根拠が基本的かつ解決困難なものであることを示す必要があります。不適合がある場合、その修正が単純な調整や明白な変更では解決できないことを説明し、組み合わせが機能しない理由を詳細に述べる必要があります。 7. 審査官の反論を見越さない 出願人が審査官の反論を見越さずに反論を展開すると、説得力を欠くことがあります。 誤りの例: 出願人が、審査官が指摘する可能性のある反例や解決策を考慮せずに反論を提示する。 正しいアプローチ: 審査官からの反論を予測し、それに対する準備を行うことが重要です。たとえば、審査官が「当業者であれば問題を解決できる」と主張する可能性がある場合、その解決策がなぜ明白でないか、または根本的に設計を変更する必要があるかを説明する必要があります。 組み合わせ不備の反論を効果的に主張するためには、先行技術同士を比較し、しっかりとした証拠や説明を提供し、問題が容易に解決できないことを示す必要があります。これらの一般的な誤りを避けることで、組み合わせ不備に基づく自明性拒絶の反論がより強力で説得力のあるものになるでしょう。 詳しくは、 https://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/s2145.html

  • 米国特許法における数値限定の概要

    数値限定とは何か? 数値限定は、特許クレームにおいて範囲(例:濃度、温度など)を指定するものです。 35 U.S.C. § 102 – 新規性拒絶 参照文献が請求された範囲と完全または部分的に重なる範囲を開示している場合に発生します。 参照文献が同じ範囲、または請求された範囲内の値を示す場合、§ 102による拒絶が生じる可能性があります。 35 U.S.C. § 103 – 進歩性拒絶 先行技術に基づいて請求された範囲が自明である場合に発生します。 参照文献が正確な範囲を開示していない場合でも、先行技術が隣接する範囲を教示しているか、範囲の調整が通常行われると考えられる場合には、請求範囲が自明とされる可能性があります。 35 U.S.C. § 102 拒絶の克服 主張 : 参照文献が請求項を完全には予期していないことを示す。 請求された発明が参照文献と異なる組成、条件、構造を指摘する。 補正 : 先行技術で開示された正確な値を避けるために、請求範囲を狭める。 35 U.S.C. § 103 拒絶 – 重複または隣接する範囲:拒絶の克服 主張 – 予期しない結果 : 請求された範囲が、先行技術で示唆されていない予期しない結果をもたらすことを主張する。 主張 – 重要性 : 請求された範囲が発明の機能にとって重要であることを証明する。 数値限定における明細書に含める情報 なぜサポート情報が重要なのか? 明細書には、請求された範囲が潜在的な§ 102または§ 103の拒絶を克服するのに十分なサポートが必要です。 含めるべき情報の種類 : 実験データ : 請求された範囲内のさまざまな値が性能にどのように影響するかを示す。 範囲の制限に関する正当化 : 下限および上限が重要である理由(例: 所望の効果を達成する、または望ましくない結果を回避する)を説明する。 先行技術の範囲との比較 : 請求された範囲が先行技術に対してどのような独自の利点を提供するかを示す実験的証拠を提供する。 ベストプラクティス : 範囲内の複数のデータポイントを示して、選択された範囲と性能の改善の明確な相関を確立する。 可能な限り、定性的および定量的データの両方を含める。 審査官が見る数値限定の詳細は、 https://www.aipla.org/docs/default-source/committee-documents/bcp-files/bcp0317rangesfinal.pdf?sfvrsn=e0e1c2e5_2 Indivior UK Ltd. v. Dr. Reddy’s Laboratories S.A.の判例( https://cafc.uscourts.gov/opinions-orders/20-2073.OPINION.11-24-2021_1870396.pdf )に基づく、アメリカでの特許出願における「数値限定クレーム」のベストプラクティスは以下の通りです。 1. 範囲を正確に定義する クレームされた範囲は、明細書によって明確に定義され、サポートされている必要があります。 Indivior では、裁判所は特許権者のクレームが、特に数値範囲(例:パーセンテージ、重量、濃度)に関して、記載によって十分に支持されていなければならないと強調しました。あいまいまたは明細書で支持されていない広範な範囲は、記載不十分や実施可能性の欠如を理由に攻撃される可能性があります。 2. 範囲内の具体的な例を提供する クレームされた範囲内に該当する具体的な実施例を含めます。裁判所は、特許明細書に開示された具体的な実施形態に基づいた範囲を好む傾向にあります。例がない場合、実施可能性や記載不十分を理由に拒絶されることがあります。 3. 範囲の重要性を証明する 可能であれば、クレームされた範囲が重要である理由を記載します。特定の範囲が任意ではなく、予期せぬ結果をもたらすか、特定の問題を解決することを示すことで、進歩性の攻撃に対抗しやすくなります。 4. 過度に広い範囲は避ける 特に先行技術の値を含むような過度に広い範囲は、新規性や進歩性の拒絶を受けやすくなります。先行技術の値を含まないか、または先行技術に対して重要な違いや改善点があることを示すことができない限り、その範囲に注意が必要です。 5. マーカッシュグループを使用して変数の範囲を定義する 組成物の範囲など、変数の範囲を扱う場合、マーカッシュグループを使用して範囲をより正確に定義することを検討してください。この手法により、クレームの範囲があいまいになったり過度に広くなったりするリスクを回避できます。 6. 先行技術と新規性の問題に早期に対応する Indivior では、クレームされた範囲の一部が先行技術により予見可能であると判断されました。範囲クレームを進める際には、先行技術に対して新規性がある理由を論じる準備をし、進歩性の理由や予期せぬ結果を示すか、または審査中に範囲を絞って問題のある先行技術を回避することが必要です。 7. 先行技術との範囲の重複に注意する もしクレームされた範囲が先行技術で開示された範囲と重複している、またはそれに近い場合、裁判所はそれを進歩性欠如と見なす可能性があります。したがって、先行技術を慎重に分析し、範囲を絞る必要があるかどうかを判断します。 8. サブレンジの支持を確保する サブレンジをクレームする予定がある場合、明細書によって明確に支持されていることを確認してください。 Indivior では、各クレームされた範囲やサブレンジが特許の開示によって支持されているべきだと強調されました。 9. 必要に応じて範囲を狭める 審査中に先行技術による拒絶に対応するために、範囲を狭める必要がある場合があります。その際、修正された範囲が元の明細書によって支持されていることを確認してください。 10. 実験データを使用する 特定の範囲での有効性や予期せぬ結果を示す実験データを提供することで、クレームを強化できます。このデータは、進歩性や実施可能性に基づく拒絶を克服するのに役立ちます。 重要なポイント: 特許出願において、特に Indivior v. Dr. Reddy's 以降、範囲クレームは明細書によって明確にサポートされ、詳細な実施形態が含まれていることが重要です。範囲を狭め、技術的な正当性を提供し、サブレンジを効果的に使用することが、法的な問題を回避するための重要な戦略となります。これらのベストプラクティスに従うことで、アメリカでの範囲クレームの実効性と堅牢性を確保することができます。

  • 米国特許審査ベストプラクティス

    USPTOにより、現地代理人に対して一般的なミスを避けるためのベストプラクティスについてまとめらています。詳しくは、 https://www.uspto.gov/patents/laws/examination-policy/best-practices-suggestions-and-tips-slide-set-html 出願準備 では、米国の規則に従い、欧州式の形式や「使用」クレーム、マルチプルクレームを避けます。 出願前 には、USPTOの公式フォームを変更せずに使用し、Application Data Sheet(ADS)を活用して正確なデータを提出します。 出願時 には、予備補正の過剰な提出や誤った形式での提出を避けます。 審査過程 では、クレームや明細書の補正時に具体的なサポートを示し、審査官が引用した先行技術を全て確認します。Issue Fee Payment支払い後の情報開示書(IDS)は、発行取り下げの請願と併せてQPIDSを提出する必要があります。 IDS(情報開示書)に関するベストプラクティス https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/uspto_1.56_and_11.18_webinar_20230223_.pdf IDSの役割 IDS は、特許出願の過程で、審査官が特許性を判断するために役立つ情報を開示するための書類です。特許性に影響を与える可能性のある情報を、出願者や弁護士は米国特許商標庁(USPTO)に対して開示する義務があります( 開示義務、Duty of Disclosure )。 IDSに含めるべき情報 IDSには、特許性に影響を与える情報をすべて含める必要があります。以下は一般的に含めるべき情報の例です: 関連する 既存の特許 や 公開された文献 発明が一般に 公開された り、 販売された 情報 発明者間の 発明者紛争 など IDSの提出方法 IDS は、特許出願の 早い段階 で提出することが推奨されます。審査が進んだ後での提出は、追加の手数料が発生することがあります。 情報開示書(IDS) には、 PTO/SB/08Aおよび08Bフォーム を使用することが推奨されています。これらのフォームはUSPTOの公式ウェブサイトで入手可能です。 IDSのタイミング IDSはできるだけ 早期に提出 し、審査官がすべての関連情報を適切に検討できるようにすることが重要です。提出が遅れると、出願プロセスに遅れが生じたり、費用がかかることがあります。 特許審査が進んでいる場合でも、新たな関連情報が判明した場合は速やかにIDSを提出することが推奨されます。 発行料支払い後のIDS提出 発行料支払い後 にIDSを提出するのは避けるべきです。発行後に新しい情報を開示する必要がある場合は、 発行取り下げの請願 (37 CFR 1.313(c))と共に提出し、継続審査請求(RCE)を併せて行うことが必要です。発行料支払い後にIDSを単独で提出した場合、その情報は審査官に考慮されない可能性があります。 審査官面談に関するベストプラクティス (Interview Best Practice) https://www.uspto.gov/sites/default/files/patents/law/ipractice/handout_2012.pdf https://www.uspto.gov/sites/default/files/patents/law/exam/interview_best_practices.pdf https://www.uspto.gov/patents/laws/interview-practice#step4 アクセス性 では、面接の依頼は早めに行い、両者がスケジュールに柔軟に対応できるようにします。申請者はPAIRSシステムで担当審査官を確認し、審査官も依頼者の権限を確認します。また、面接の依頼や議題は早めに提出し、審査官との調整をスムーズに進めることが重要です。 次に、 準備 では、申請者が発明の「独自性」や先行技術との違いを説明できるように、詳細な議題や提案を事前に提出します。審査官はこれを基に十分な準備を行い、申請者と協力して特許性のある部分を特定します。 内容 の面では、申請者と審査官は対立的ではなく、協力的に面接を進め、クレームの解釈や修正案について理解を深めます。これにより、審査が円滑に進むことが期待されます。 最後に、 記録 は面接後に正確に行う必要があります。議論された内容、合意に達した事項、提案された修正案をしっかり記録し、双方が内容を確認することで、プロセスの透明性と効率が保たれます。

  • USPTOの特許許可割合と審査の一貫性

    特許審査プロセスは、特許として認められるアイデアやイノベーションに関して、明確な規則に基づいて進められています。審査官に求められる特許審査プロセスについては、こちらをご参照ください。 https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/InventionCon2020_Understanding_the_Patent_Examination_Process.pdf 許可されたUtility patent、Plant patent、Reissue patent(UPR)出願とは、 USPTO の特許審査官によって審査され、特許を取得する資格があると判断された出願のことです。 許可率 (許可された割合)は、過去2年に処理された出願のうち、許可された出願の数を処理された出願の総数で割って計算されます。詳しいデータは、 https://www.uspto.gov/dashboard/patents/production-unexamined-filing.html また、特許審査において一貫性を求められます。USPTOは、毎年審査の質を管理しています。 https://www.uspto.gov/patents/quality-metrics 例えば、USPTOは、KSR Int'l Co. v. Teleflex Inc.事件に基づく自明性(obviousness)の判断に関する柔軟なアプローチを適用するための新しいガイダンスを発表しました。このガイダンスは、連邦巡回控訴裁判所(Federal Circuit)によるKSR後の先例判決に焦点を当て、35 U.S.C. § 103に基づく明白性の適用について審査官を指導するものです。この更新ガイダンスは、発明が自明であると結論づける際には、事実に基づいた理由付けが必要であることを強調しています。また、特許審査手続きマニュアル(MPEP)に沿ったものであり、 2024年2月27日 から適用されています。 主なポイントは以下の通りです: アメリカ発明法(AIA)により、自明性の判断の時間的焦点は「発明がされた時点」から「出願発効日以前」へと変更され、先発明主義から先発明者出願主義 へのシステム移行が反映されています。 Graham v. John Deere Co. 事件による分析枠組みが依然として有効であり、これには先行技術の範囲、クレームされた発明との違い、そして当該技術分野における通常の技術水準の評価が含まれます。 KSR以降の連邦巡回控訴裁判所の判決は、先行技術の理解とその修正理由に関する 柔軟なアプローチ の必要性を再確認しており、先行技術の範囲を解釈する際に 常識と創造性 を考慮することを認めています。 決定を下す際には、発明が自明であるとするために、 明確で説明された理由付け が必要であり、広範な理論でも事実に基づく裏付けが求められます。 自明性に関する調査では、 自明性を否定する客観的証拠 (例:商業的成功など)を含む、関連するすべての証拠を考慮する必要があります。これらの証拠を考慮しないことは誤りです。 このガイダンスは、法的に強制力を持つ権利を新たに創設するものではありませんが、USPTO内での法の一貫した適用を確保するためのものです。詳しくは、 https://www.federalregister.gov/documents/2024/02/27/2024-03967/updated-guidance-for-making-a-proper-determination-of-obviousness 以前、USPTOは、審査官や審査ユニット間での審査の一貫性が欠如していることが問題視されているとの発表をしています。統計データを活用し、許可率やオフィスアクション数などを監視することで、審査の公正さと合理性を向上させるべきです。異常なデータが見つかった場合は、調査や対話を通じて改善を図り、審査のばらつきを減らすことで、出願者にとって公平な審査環境を確保することが重要であるとしています。詳しくは、 https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/2015quality_f_gaudry6_06may2015.pdf

  • 特許適格性に関するガイダンスアップデート

    USPTO extends deadline for comments on patent subject matter eligibility guidance update USPTOは、 特許対象となる発明の適格性に関するガイダンス を更新し、特に 人工知能(AI)に関連する発明に焦点を当てました。この更新は2024年7月17日 に発効し、 35 U.S.C. § 101 に基づく審査基準を満たすために、AIなどの新興技術に関連する特許クレームを評価するための明確な指針を提供します。ガイダンスには、AI関連の発明の適格性を判断するための具体例が含まれ、特許法に関する重要な 連邦巡回控訴裁判所 の判決にも言及されています。 このガイダンス更新は、 大統領令14110号 とも調和し、AIの安全で責任ある開発の必要性を強調しています。審査官や関係者が一貫して適用できるよう、適格性ルールを適用するための具体的な例を提供しています。USPTOは、この新しいガイダンスに対するフィードバックを求めており、特にAIなどの重要技術分野での革新を促進するために適格基準をさらに洗練することを目指しています。フィードバックの提出期限は当初 2024年9月16日 に設定されていましたが、延長されました​(USPTO)​。 The USPTO recently updated its Patent Subject Matter Eligibility Guidance , particularly addressing innovations related to artificial intelligence (AI) . This update, effective July 17, 2024 , aims to provide clarity on evaluating patent claims involving emerging technologies like AI, ensuring they meet the standards under 35 U.S.C. § 101 . The guidance highlights how to determine the eligibility of AI-related inventions and references key Federal Circuit  rulings that have influenced this area of patent law. This update also aligns with Executive Order 14110 , which emphasizes the need for secure and responsible AI development. It includes detailed examples to guide examiners and stakeholders in applying the eligibility rules consistently. The USPTO is particularly interested in receiving public feedback on this new guidance to further refine the eligibility criteria, which is essential for fostering innovation in critical tech areas like AI. The deadline for public comments, initially set for September 16, 2024 , has been extended​(USPTO) https://public-inspection.federalregister.gov/2024-21085.pdf

  • 「Means-Plus-Function」および「Step-Plus-Function」クレームの審査に関するリソースについて

    このUSPTOの覚書は、審査官に注意喚起するものです。審査官は、クレームが§ 112(f)を適用するかどうかを判断するために、 3つの基準 を適用する必要があります。(A)クレームが「means」や一般的な代用語を使用しているか、(B)それが機能的な言葉で修飾されているか、そして(C)十分な構造が記載されていないかどうかです。§ 112(f)が適用されるクレームは、明細書に記載された構造、材料、または行為に限定され、狭い解釈を受けます。 覚書は、審査過程において 明確な文書化 が重要であり、これにより出願人、一般公衆、裁判所が審査官の解釈を理解しやすくなることを強調しています。特に コンピュータ実装クレーム では、アルゴリズムの開示が必要です。十分な開示がないクレームは、 § 112(b)に基づいて不明確 と見なされます。 詳しくは、 https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/112f-memo.pdf

  • USPTO意匠特許出願の審査に関する補足ガイダンス

    米国意匠特許は、製品の視覚的な特性、つまり形状、構成、表面装飾を法的に保護するものです。「製造物品」としての意匠は、新規性、独創性、装飾性が求められます。USPTOの審査官は、意匠の独自の装飾的特徴を評価し、実用的な機能を解決する要素があるかどうかも確認します。また、独立した意匠は別々の出願として提出する必要があります。発明者は、これらの要件を満たすことで、USPTOでの承認確率を高めることができます。経験豊富な知的財産保護弁護士は、 35 U.S.C. 171 に基づく意匠特許の出願をサポートし、発明の保護を強化します。一度保護されれば、競合他社はあなたの意匠を米国内でコピー、製造、配布することができなくなります。以下は、USPTOにおける意匠特許出願の要件に関する詳細です。 1. 新規性と非自明性 最初の要件として、発明は新規かつ非自明である必要があります。新規性を満たすためには、既存の先行技術とは異なり、請求された意匠が新しいものでなければなりません。通常、USPTO審査官は「平均的観察者テスト」を適用し、意匠の新規性を評価します。これは、一般の観察者の目にユニークであることを意味します。また、発明は米国特許法の非自明性の基準も満たす必要があります。新しい意匠が先行技術に対して著しい改良をもたらす場合、非自明と見なされます。弁護士は先行技術の調査を行い、意匠の新規性と非自明性を評価する手助けをしてくれます。 2. 独自の装飾的外観 独自の装飾的外観も、意匠特許出願において重要な要件です。意匠の装飾的特徴は、単なる美的な外観や魅力、芸術的な概念を超えたものでなければなりません。USPTOは、その製品の機能との関連で装飾性を評価します。通常、装飾的な外観は、製造物品の機能的・機械的要件に依存しないものである必要があります。 3. 説明図面と写真 USPTOへの意匠特許出願には、説明図面と写真も必要です。関連する図面や写真は、請求された意匠の視覚的特徴を開示します。公式ガイドラインによれば、意匠のさまざまな視角を強調するために複数のビューが必要です。すべてのスケッチは、黒インクで白紙に描かれ、写真も白黒で提出する必要があります。 4. 形式的な主題の免責事項 形式的な主題の免責事項も、意匠特許出願において重要です。これにより、特許保護を求める意匠の側面を明確にします。初期図面を準備する際には、破線を使用して請求された主題と異なる特徴を強調する必要があります。 5. 書面による意匠の説明 最後に、詳細な書面による説明も重要な要件です。特許出願には、明確なタイトル、申請者名、および関連する請求項が含まれている必要があります。加えて、各図面や写真を説明する補助的な簡単な説明も必要です。これらの説明は、USPTOの審査官が特許可能な側面を理解するのに役立ちます。 これらの要件に従うことで、USPTOでの意匠特許出願がスムーズに進行し、競合から意匠を保護することができます。 米国特許商標庁(USPTO)による コンピュータ生成電子画像(アイコンやGUIを含む)に関連する意匠特許出願の審査に関する補足ガイダンス の要約です。このガイダンスは、コンピュータ生成画像を含む意匠特許請求が 製造物品の要件 (35 U.S.C. 171)を満たしているかどうかを判断する際の指針を提供しています。 主なポイント: 製造物品の要件 : 意匠特許は、製造物品に具現化または適用されたデザインにのみ付与されます。抽象的なデザインや画面上に表示される単なる画像は対象外です。アイコンやGUIは、プログラムされたデバイスの動作に不可欠で、能動的な要素である必要があります。 画像とアイコン/GUIの区別 : 画面上に表示される単なる画像(例:仮想画像)は意匠特許の法定主題とは見なされませんが、アイコンやGUIは、デバイスの機能に不可欠であるため、法定主題と認められます。 用語の明確化 : コンピュータアイコンやGUIに関するタイトルや請求項は、製造物品(例:ディスプレイパネル)を参照する必要があります。「アイコン」や「GUI」だけを指す請求項は不十分であり、具体的な物品(例:「アイコンを備えたディスプレイ画面」)を指定するよう修正が必要です。 適切および不適切な請求項の例 : 「仮想画像」や「アイコン」だけを記述する請求項は拒絶されます。適切な例としては、「アイコンを備えたコンピュータ画面」や「GUIを備えたディスプレイパネル」といった特定の製造物品を指定するタイトルや請求項があります。 図面の要件 : 図面には、製造物品に具現化されたアイコンやGUIが描かれている必要があり、画面を実線または破線で示すことができます。 拒絶および修正 : 製造物品の要件を満たさない請求項は 35 U.S.C. 171 に基づき拒絶され、出願者はタイトルや請求項を修正して要件を満たすようにすることが求められます。 USPTOの職員は、出願者がこれらの問題を修正し、請求項を法的要件に合致させる方法を案内するよう指示されています。 この補足ガイダンスは、デジタルデザインに関する意匠特許の審査を一貫して行うための基準を提供し、出願者が適切な請求を行うのを支援します。 詳しくは、 https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/2023-25473.pdf

  • 参加庁とのグローバル及びIP5特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムの実施

    1. PPHプログラムの概要 米国特許商標庁(USPTO)は2006年7月以降、複数の特許庁と「特許審査ハイウェイ(PPH)」プログラムを導入している。 PPHは、ある特許庁で肯定的な審査結果を得た出願者が、他の庁で迅速な審査を受けられる制度。 OEE(先行審査庁)の審査結果をOLE(後続審査庁)が再利用することで、作業の重複を避け、審査効率を向上させる。 2. PPHプログラムの改善 「MOTTAINAI」プログラムにより、OEEが最初の出願庁である要件が撤廃。 PCT-PPHプログラムにより、PCT(特許協力条約)成果物も含まれるようになった。 PPH2.0プログラムにより、参加申請の要件が簡素化された。 3. グローバルPPHおよびIP5 PPH試行プログラムの目的 異なるPPHプログラムの管理が煩雑化したため、プロセスを合理化する目的でグローバルPPHおよびIP5 PPH試行プログラムが設立された。 USPTOは、両方のプログラムに参加しており、出願者はどちらのプログラムを利用しているか指定する必要がない。 4. USPTOにおける参加申請要件 米国出願は、Global/IP5 PPH参加庁に提出された対応出願と同じ優先日を持つ必要がある。 対応する出願はOEEで特許可能と判断された少なくとも1つの請求項を持つ必要がある。 すべての請求項がOEE出願における特許可能な請求項に対応している必要がある。 審査開始前でなければならない。 5. 必要書類 参加申請書。 OEE出願の特許可能な請求項に対応する請求項対応表。 OEE出願のオフィスアクションの写し(英訳を含む場合あり)。 情報開示陳述書(IDS)。 6. 特別審査手続き 申請が承認されると、出願は優先的に審査される。 不備があれば修正の機会が1度与えられるが、適時に修正されない場合、却下される。 詳しくは、 https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/pph/document/guideline/uspto_japanese.pdf

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