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生成AIの利用と米国特許訴訟における秘匿特権 ― Heppner判決が示す実務上の示唆
近時、生成AIの利用が弁護士秘匿特権(attorney-client privilege)やワークプロダクト特権を自動的に失わせるのではないかとの議論が広がっています。2026年2月17日にニューヨーク南部地区連邦地裁が言い渡した United States v. Heppner 判決は、この論点に明確な方向性を示しました。ただし、この判決は生成AIを特権と両立しないものと断じたわけではありません。裁判所は、あくまで従来の技術中立的な特権法理を新しい技術に適用したにすぎません。 Heppner事件では、被告人が弁護士を選任した後、自らの判断で公開型生成AIプラットフォームを用い、防御戦略や法的主張を整理した文書を作成しました。その後、それらを弁護士と共有し、秘匿特権およびワークプロダクト特権を主張しました。しかし裁判所は、当該文書は保護されないと判断しました。理由は明快です。第一に、生成AIは弁護士ではなく、弁護士との信認関係も存在しません。第二に、利用規約上、入力情報が保存・利用・第三者開示され得る以上、合理的な秘密期待が認められませんでした
IPBIZ DC
1 日前読了時間: 3分


USPTO、SEPワーキンググループ始動とSPARKパイロット創設―標準化主導権の回復へ政策を本格化
米国特許商標庁(USPTO)は、標準必須特許(Standard-Essential Patent: SEP)を巡る政策対応を強化するために設置したSEPワーキンググループの活動を本格化させ、その第一弾施策として新たに「SPARK(Standards Participation and Representation Kudos)パイロットプログラム」を立ち上げると発表した。SEPの強力な権利保護を打ち出した前回発表に続き、今回は標準化活動への米国主体の参加を制度的に後押しする具体策が示された格好だ。 SEPワーキンググループは2025年12月29日に設置が公表され、USPTO長官John A. Squires氏の直轄組織として運営されている。同グループは、標準技術に組み込まれた特許の救済強化、標準策定プロセスへの広範な参加促進、そしてライセンス交渉の透明性向上を三本柱として掲げている。近時USPTOは、差止め救済の実効性を重視する姿勢を明確にしており、連邦地裁および米国国際貿易委員会(ITC)への意見提出を通じて、有効特許の排他的権利は公共の利益に
IPBIZ DC
2月12日読了時間: 6分


USPTO、特許付与証のセレモニアルコピーをオプトイン方式へ移行 ― 2026年3月9日開始
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年4月18日に紙の特許証の発行・郵送を終了し、電子特許付与(eGrant)へ完全移行しました。これに伴い、これまで全ての特許権者に対して、記念用としてのセレモニアルコピー(儀礼用特許証)が自動的に送付されてきました。しかし、多くの出願人から「セレモニアルコピーを利用していない」「必要な場合のみ受け取りたい」といった声が寄せられていました。 こうした利用者のフィードバックを受け、また需要に即した効率的なリソース配分を行うため、USPTOはセレモニアルコピーの提供方法を見直し、今後は希望者のみが受け取れる「オプトイン方式」を導入します。この変更により、年間約250万ドルの印刷・郵送コスト削減が見込まれており、USPTOはその分のリソースを、利用者にとってより重要なサービスへ振り向けるとしています。 新しい運用は2026年3月9日から開始されます。同日以降、特許付与時にセレモニアルコピーを受け取りたい場合は、発行料支払い時に提出するPTOL-85(Part B)において、「Ceremonial...
IPBIZ DC
2月6日読了時間: 2分


USPTO、米国外所在の特許出願人・特許権者に登録特許実務者による代理を義務化する規則改正案を公表
米国商務省・米国特許商標庁(USPTO)は、特許出願人および特許権者のうち、 住所(自然人)または主たる事業所(法人等)が米国または米国領内にない当事者 (以下、米国外所在の出願人/発明者・特許権者)について、 登録特許実務者(登録特許弁護士・登録特許代理人等)による代理を必須 とするため、特許実務規則(37 CFR Part 1)の改正を提案しています。USPTOは、この代理人必須化により、米国の運用を国際標準に近づけるだけでなく、手続運営の効率とコンプライアンスを高め、虚偽申請等への対応力を強化できると説明しています。 本提案の背景としてUSPTOが挙げているポイントは、1) 第一に 他国審査当局との調和 です。多くの国では、外国出願人が現地の資格者(代理人)を通じて手続を行うことが義務づけられており、米国でも同様の枠組みを導入することで、国際的に整合した出願・権利管理の実務に近づける狙いがあります。2) 第二に 審査の効率化 であり、代理人を付けずに本人が直接手続する(pro se)ケースでは、方式不備や手続上の行き違いが生じやすく、USP
IPBIZ DC
1月6日読了時間: 2分
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