連邦政府シャットダウンとUSPTOへの影響について
- IPBIZ DC
- 2025年10月2日
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2025年10月1日、米国連邦政府は予算合意に至らなかったことから一部閉鎖に追い込まれ、多くの政府機関が業務停止に入りました。今回のシャットダウンは、議会とホワイトハウスの深刻な対立によるもので、過去の事例と比べても不透明さと不確実性が際立っています。このような状況下において、特許・商標制度を所管する米国特許商標庁(USPTO)がどのような影響を受けるのかは、多くの出願人や権利者にとって関心の高い問題です。
USPTOは、一般会計予算とは異なり、特許出願料や商標出願料、維持年金などユーザーからの手数料収入によって独立採算で運営されている点が特徴です。このため、他の連邦機関が即座に業務停止に入る一方で、USPTOは昨年度までに蓄積した予備資金を活用することで、当面は通常どおりの運営を継続すると表明しています。出願の受付、審査、審判業務、そして特許審判部(PTAB)における無効審理手続きも、現時点では中断される予定はなく、ユーザーに対する直接的な影響は限定的と考えられます。
しかしながら、USPTO内部でも人員削減の動きが一部で生じており、10月1日付けで全職員の約1%にあたる削減が実施されることが明らかになっています。影響は限定的であるものの、政府の長期的な縮小方針の一端として捉えることができ、今後の業務体制や審査の効率性に一定の影を落とす可能性は否定できません。また、デンバーの地域サテライトオフィスが恒久的に閉鎖されることも発表され、現地職員の多くはリモート勤務へ移行する見込みです。こうした動きは、コスト削減の一環であると同時に、地方における対面サービスや利便性に変化をもたらす可能性があります。
総じて、USPTOは当面の業務を維持できる見通しですが、シャットダウンが長期化した場合には、予備資金の消耗や組織改革の加速といった形で、審査や運営に遅延や不確実性が生じる恐れがあります。特許出願や審査請求を計画されているクライアントにおかれては、現時点での実務に即時の影響は想定されないものの、将来的な制度運営への波及に備え、必要に応じてスケジュールを前倒しするなどの柔軟な対応を検討することが望まれます。
今回の政府閉鎖は、米国の政治状況に起因するものであり、USPTOが特許・商標制度の安定性をいかに維持できるかが今後の焦点となります。私たちとしては、USPTOの運営状況や追加的な発表を引き続き注視し、クライアントに不測の影響が及ばないよう最新情報を随時共有してまいります。




