USPTOによる人員削減とデンバーオフィス閉鎖について
- IPBIZ DC
- 2025年10月2日
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2025年10月1日付けで、米国特許商標庁(USPTO)が全職員の約1%にあたる人員削減を実施することが内部文書により明らかとなりました。職員数が1万4,000人を超える同庁において、今回の削減はごく限定的な規模ではあるものの、政府機関の閉鎖が続く中で「ミッションクリティカル業務」に集中するための措置とされています。特許部門の6つの職位が対象であり、加えて広報部門にも一部影響が及んだと伝えられています。ジョン・スクワイアーズ長官は別の内部文書において、今回の削減は職務遂行能力に基づくものではなく、機構改革の一環であることを強調しています。
今回の政府閉鎖は、議会とホワイトハウスの対立によって予算合意に至らなかったことが原因であり、トランプ政権下では、閉鎖が長引けば連邦政府全体で年末までに30万人規模の人員削減につながる可能性が指摘されています。USPTOはユーザーからの特許・商標関連の手数料によって独立採算で運営されているため、他の政府機関と異なり即時閉鎖には至っていません。特許・商標からの収入を基にした予備資金を活用することで、当面は通常業務を継続できると発表されています。
あわせて、USPTOは地域拠点の一つであるデンバーのサテライトオフィスを恒久的に閉鎖することを決定しました。同オフィスには30名未満の職員が在籍していましたが、大部分は今後リモート勤務に移行する見込みです。今回の閉鎖はコスト削減の一環であり、地方拠点を活用した対面サービスの縮小を意味する動きとして注目されます。
USPTOは依然として米国の知的財産制度の中核を担い、特許・商標の付与に加えて、政策提言や特許審判部(PTAB)による特許有効性の審理など多様な役割を果たしています。今回の人員削減やオフィス閉鎖は規模こそ限定的ですが、今後の政府の縮小方針が同庁にどの程度波及していくのか、また業務効率や審査体制にどのような影響を及ぼすのかについては引き続き注視が必要です。
私たち実務家にとっては、短期的にはUSPTOの通常業務は維持される見込みであるものの、中長期的には審査の遅延や政策変更の可能性も否定できません。クライアントの出願・権利化戦略に不測の影響が出ないよう、今後の制度運営や人員体制に関する最新情報を継続的にモニタリングすることが重要です。




