Terminal Disclaimerとは
Terminal Disclaimerとは、後の特許出願の期間を短縮し、先の特許の期限と一致させるために出願人が提出するStatementです。これは、同一の発明またはその明らかなバリエーションについて複数の特許を取得することを防ぐための二重特許拒絶を克服するために使用されます。このStatementは後の特許の実施可能性を制限し、先の特許と期間および実施可能性の両方で結びつける役割を果たします。先の特許が無効化された場合、後の特許も実施可能性を失う可能性があります。これは、Terminal Disclaimerが二重特許を回避するために後の特許を先の特許に結びつけているため、先の特許がもはや有効でない場合、後の特許が独立して実施可能であるべきではないとする論理に基づいています。
Terminal Disclaimerが提出されている場合、先の特許が無効化されると、Terminal Disclaimerによって結びつけられている後の特許にも影響を及ぼす可能性がありますが、自動的に無効になるわけではありません。Terminal Disclaimerは、後の特許の実施可能性を先の特許に結びつけており、先の特許が無効または実施不能となった場合、後の特許も実施可能性を失うことがあります。
重要な判例:
In re Lonardo, 119 F.3d 960 (Fed. Cir. 1997): この判例では、Terminal Disclaimerが提出された特許が、先の特許が無効化された場合、実施不能になることを強調しています。Terminal Disclaimerは後の特許の実施可能性を先の特許に明確に結びつけているためです。
Carman Industries Inc. v. Wahl, 724 F.2d 932 (Fed. Cir. 1983): この判例も、Terminal Disclaimerが提出された特許の実施可能性が先の特許の状態に依存することを示しています。先の特許が無効化された場合、後の特許の実施可能性が損なわれることが指摘されています。
これらのシナリオでは、先の特許が二重特許やその他の理由で無効化された場合、後の特許の実施可能性にも影響を与える可能性がありますが、後の特許が自動的に無効化されるわけではなく、代わりに実施不能となる可能性があります。
特許保有者にとっての実務的な影響:
もしTerminal Disclaimerを提出する場合、その後の特許が先の特許に結びつけられることを認識することが重要です。先の特許が何らかの理由で実施不能となる場合、後の特許も実施可能性を失う可能性があります。
最近の重要な判例
Terminal DisclaimerおよびObviousness-Type Double Patenting、略称: ODPに関連する最近の重要な判例として、In re Cellect, LLC (2023)が挙げられます。この判例では、連邦巡回控訴裁判所はTerminal Disclaimerが、ODPの参考とされた先の特許が先に失効した場合、後の特許に付与された特許期間調整(Patent Term Adjustment、略称: PTA)を効果的に打ち消すとする判断を下しました。裁判所は、ODPの無効化はPTAで延長された期間にのみ適用されるべきだというCellectの主張を退け、元の期間および延長された期間を含む特許全体がODPに基づいて無効化されると判断しました。
Cellectの判決は、特に製薬業界のように規制による遅延でPTAが頻繁に付与される業界において、PTAを持つ特許に大きな影響を与えています。特許保有者はODP拒絶を処理する際にTerminal Disclaimerの使用を慎重に検討する必要があり、Terminal Disclaimerを提出すると貴重なPTAが失われる可能性があります。
さらに、最近の判例であるAllergan U.S. Inc. v. MSN Laboratories Private Ltd.では、Cellect判決の影響がさらに強調されました。この判例では、親特許が子特許よりも多くのPTAを持っていたため、親特許が無効化されました。裁判所は、Terminal Disclaimerが一度提出されると、両特許が結びつけられ、親特許の無効化が子特許にも影響を及ぼすと判断しました。