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DC近郊の特許・非特許文献調査施設

IPBIZ DC

ワシントンDC近郊にはUSPTO、国会図書館、 National Institutes of Health (NIH)があり、文献調査を行うための施設がそろっています。近年では、電子版データベースが充実していることもあり、物理的に図書館へ行くことも減りつつあります。そのため、調査施設を活用することも減りつつありますが、まだまだこれらの施設を利用するメリットがあると考えます。


1. USPTO Public Search Facilityを利用する利点

a. 専門的なツールやデータベースへのアクセス

  • USPTO public search facilityでは、PubEASTPubWESTなどの専用データベースにアクセスできます。これらのシステムは、公開されているオンラインデータベースでは利用できないもので、より高度な特許検索が可能です。

b. 対面による支援

  • USPTO public search facilityでは、訓練を受けたスタッフや特許調査の専門家と相談することができます。これにより、専門的なデータベースの使用方法や検索結果の解釈、検索戦略の改善などのアドバイスが受けられます。

c. 包括的な非特許文献(NPL)コレクション

  • 非特許文献(NPL)は無効化調査や新規性調査において重要です。USPTOの施設では、オンラインでは完全にアクセスできない非特許文献のコレクション、特に古いものや専門性の高い出版物が含まれている場合があります。

d. 法律に関するリソース

  • USPTO public search facilityには、法律の先例に関連するリソースもあり、過去の特許庁の決定や規則、特許審査に影響を与える要素について理解するのに役立ちます。


2. 国会図書館(LOC: Library of Congress)を利用する利点

a. 豊富な非特許文献(NPL)リソース

  • 国会図書館は、世界最大級の非特許文献のコレクションを保有しており、書籍、ジャーナル、会議資料、基準書など、多様な技術資料が揃っています。これは特許データベースの範囲を超えた先行技術調査に非常に有用です。

b. 歴史的コレクション

  • 古い文書における先行技術を調査する場合、議会図書館は歴史的な出版物、新聞、ジャーナルのアーカイブにアクセスでき、これらは電子データベースでは入手できない場合があります。

c. 専門的なコレクション

  • 国会図書館には科学、技術、工学に特化したコレクションもあり、特に非特許文献の調査に役立ち、特許調査に関連する専門的で珍しい文献を見つけることができます。

d. 研究司書(リファレンスライブラリアン)による支援

  • USPTO同様に、国会図書館には研究司書が在籍しており、文献検索の支援を行っています。これにより、特定の文書を探したり、追加のリソースを推奨したり、より良い検索戦略を提案してもらうことができます。


3. National Institutes of Health (NIH) Library Facilityを利用する利点

a. 豊富な非特許文献(NPL)コレクション

  • NIH図書館は、生命科学や医療分野における膨大な非特許文献(NPL)を提供しています。特に、医薬品、バイオテクノロジー、化学技術などに関連する特許調査を行う際に、学術論文、研究報告書、臨床試験データにアクセスできることは非常に有用です。

b. 専門的なデータベースとツール

  • NIH図書館は、PubMedMedlineなど、生命科学や医療分野に特化したデータベースにアクセスできます。これにより、バイオ医薬品関連の先行技術調査や、非特許文献を調査する際の信頼性の高い情報源として利用できます。

c. 研究サポートと専門スタッフ

  • NIH図書館では、専門の研究司書が調査をサポートしてくれます。彼らは生命科学や医療分野の専門知識を持っており、適切なリソースの選択や、文献検索の戦略に関するアドバイスを提供してくれます。

d. アクセス可能な研究施設

  • NIH図書館は、最先端の医療研究が行われるNIHキャンパス内に位置しており、同施設の利用者は高度なリソースや研究ツールにアクセスできます。特に、医療やバイオ分野の特許調査を行う場合、これらのリソースは非常に役立ちます。

e. 無料での利用

  • 公共の研究者や特定の資格を持つ個人に対して、NIH図書館のリソースを無料で提供しており、学術文献をオンラインで閲覧することが可能です。


USPTO/LOC/Electronic database 比較分析

基準

USPTO Public Search Facility

国会図書館

電子データベース

検索範囲

特許(米国中心)+ 一部非特許文献

主に非特許文献(NPL)

特許(国際的) + 一部非特許文献データベース

歴史的文書へのアクセス

強力、古い特許へのアクセスあり

優れている、豊富な歴史的アーカイブ

最近の文書は良好、古い文書は制限がある

対面サポート

特許調査の専門家が対応

研究司書が対応

対面サポートなし、FAQやガイドはあり

検索ツール

専門の特許データベース(PubEAST、PubWEST)

幅広い資料が豊富なコレクション

高度なブール演算、AI検索ツール

利便性

現地訪問のみ

現地訪問のみ

インターネット接続があればどこからでもアクセス可能

網羅性

特許に関しては高い、非特許文献は中程度

非特許文献に関しては高い、特許は低い

特許に関しては高い、非特許文献は中程度

コスト

無料で利用可能

無料で利用可能

無料(公共データベース)またはサブスクリプション型


結論:

  • 電子データベースは、スピード国際的なカバレッジリアルタイム更新が特徴で、特に最近のグローバルな特許文書を調査する際に欠かせません。

  • USPTO public search facilityは、特許調査において詳細な調査や専門的なツールへのアクセスが可能で、古い特許や特殊な特許にアクセスする必要がある場合に非常に有用です。

  • 国会図書館は、特に非特許文献の調査に優れ、歴史的または専門的なリソース

  • NIH図書館は、特に生命科学や医療分野の特許調査や、関連する非特許文献の検索において非常に有用です。これにより、医学やバイオテクノロジー関連の先行技術調査において、特許データベースを補完する優れた情報源となります。


この他、ワシントンDC近郊には有名大学の図書館があり、特許調査には最適な環境です。

ジョージワシントン大学図書館:https://library.gwu.edu/

ジョージタウン大学図書館:https://library.georgetown.edu/

メリーランド大学図書館:https://www.lib.umd.edu/




 
 

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